X3歳の誕生日は、会社を休んで、妻と長女と三人でマーサス・ビニヤード島(Martha's Vineyard)でゆっくり過ごした。次女と長男は残念ながら学校。
Wikipediaによると、マーサス・ヴィニヤードは、首都・ワシントンD.C.やボストン、ボルチモア、ニューヨークといった米国の中枢機能と人口が集中するメガロポリスから比較的近いことや、その快適な夏の気候(めったに32℃を超えることがない)と多くの美しい海岸ゆえに、観光客の目的地として成長してきた。そうした好条件から、歴代の大統領や政財界の著名人等がここで休暇を過ごす様がメディアで報じられることも手伝い、米国のみならず世界的にも知る者が少なくない島となっている。
レキシントンからマーサス・ビニヤードへのフェリーが出るウッズ・ホール(Woods Hole)までは車で2時間弱<地図>。4車線の高速から、3車線、2車線、そして一般道へと目的地に近づくに従って徐々にバケーションの実感が湧いてくる。ここはウッズ・ホール海洋生物学研究所で有名。
10:45 AMのフェリーを目指して出かけたが、長女の寝坊のため間に合わず、チケット売り場で11:00 AMのがあると言われて急いで乗船。この便、時刻表にはないんだけどな。
フェリーが出向すると、すでに島影が見えている(上の写真)。島までは10キロ強、約45分の船旅。片道7ドル50セント、往復15ドル(割引なし)。
右の写真のアメリカ人たちはたまたま乗り合わせた赤の他人だけど、古くからの友達のように、実によく話す。
マーサス・ビニヤードには、エドガー・タウン(Edgartown)、オーク・ブラフ(Oak Bluffs)、ヴィニヤード・ヘブン(Vineyard Heaven)の3つの町がある。町といっても何れも歩いて回れるほどのもの。ヴィニヤード・ヘブンへ行こうと思っていたのだが、乗ったフェリーはオーク・ブラフに着いた。ま、目的のある旅行じゃないから、どこに着いても、そこから歩き始めればいい。
自分の乗った船(飛行機でもいい)が初めての場所に近づいて、町影がだんだんはっきりしてくるのは、こんな小旅行でもワクワクする。
木製の桟橋はなかなか風情があっていい。海は非常に透明感があって、強い日差しが海底に贅沢な模様を描き出していた。
フェリーを降りてほんの少し町の方に歩いていくと、オーク・ブラフの名物の一つ=稼動するものとしてはアメリカで最も古い回転木馬(Flying Horse)がある。シックな家具のような回転木馬だ。観光客の出足が遅く、手持ち無沙汰な店員がいるだけで、写真を撮りそびれてしまった。
町並みはだいたいこんな感じ。ブティック、宝石店、ギャラリー、みやげ物店、カフェ、レストランが軒を連ね、観光客や長期バケーションの人たちがブラブラあるいていたり、ベンチに座っていたり。要は、用事のある人がいないんだな、こういうところは。
これはリゾートの要件で、ネクタイとベルトをはずしてダブダブのパジャマに着替えたときのような開放感と、回り中が同じダブダブのパジャマを着ているという二重の開放感が貴重なのだ。
オーク・ブラフを少し歩いたらお腹が空いてきた。我々も何の目的もない旅だから、お腹が空いたら迷わず食事。
人気のありそうなレストランに入ったら大変な混雑で、ウェイトレスが視線さえ合わせない有様。これはリゾートの要件に反するので、すぐさま退散して近くのタイ料理店へ。先客が数組いるだけで、大変静か。今日は快晴(右写真)。店内は陽光がよく差し込んで明るく、清潔な感じ。正解ですね。何をたのんだのか憶えていないが、タイ・ベトナム料理は日本人の口に合う。
タイ・レストランの人に聞くとジンジャー・ブレッド・ハウス(Gingerbread House)は店のすぐ裏手。トリニティー・パークを取り囲むように派手に装飾されたコテージ(右写真)が立ち並ぶ。ジンジャー・ブレッド・ハウスというのは、もともとはジンジャー・ブレッド(シナモンなどのスパイスの入った固めのパンあるいはクッキー)で作ったお菓子の家のことで、アメリカではクリスマスに作られることが多い。ここのコテージは、過当競争で徐々に華美になり、ジンジャー・ブレッド・ハウスのようだと言われるようになったのだろう。
島内の移動には自転車やミニバイクが使えるが、レンタル料もバカにならないし、レンタル店に帰って来なければならないという制限がある。我家としては路線バスの1日券(6ドル)を選択。待ち時間なくエドガー・タウン行きのバスに乗ることができた。十分に便利で快適。
途中いくつものビーチを通り過ぎていったが、大変きれいなビーチと海だ。いつか改めて来てみたい。
エドガー・タウンの東にあるパブリック・ビーチ沿いにある灯台を見に行った。1828年に建てられたものらしい。絵になる。
この日は快晴だったので、買ったばかりのウィンド・ブレーカーを潮風にさらすのはいやだな、と思って車に置いてきた。しかし、一日中20度以下で風が強く、特にこの灯台付近は大変な風で、本当に寒かった。
海岸沿いの家々はなかなか洗練されていて、如何にも高そう。各家の裏手にはプライベートの桟橋があって、すばらしいクルーザーが係留されている。
風が強く、海面にさざなみが立って、太陽の光がキラキラしている。
前にも言ったかもしれないが、こちらの陽射しは日本より強いように思う。アメリカ人は格好を付けるためにサングラスをしているのではなく、単に陽射しが眩しいのだ。
それと帽子(キャップ)。男の人の半分以上は帽子をかぶっている。この辺だと、さらにその半分くらいの人はレッドソックスの帽子。これも特に格好を付けているわけではなく、正に日除け。
僕も今日は長女の大学のマスコットの入った帽子とサングラス。
快晴の青い空と白い灯台、きれいでしょ?
体が冷え切ってしまったので、カフェを求めて町の中心部へ移動。
途中、感じのいいギャラリーを発見。建物がいい。小さな木の板をうろこ状に打ち付けるのは、この辺の伝統的な様式。
もう一つ発見。この建物にはギャラリーとスパが入っている。スパは温泉ではなく、「ビューティー&マッサージ・サロン」のようなもの。お金と時間があったら行ってみたい。
ようやくカフェ発見。自転車がいっぱい置いてあるからいいに違いないと妻がいうのでここに決定。
看板(右写真)はパステル・カラーで合格なのだが、「Among the Flowers=お花に囲まれて」というのは看板に偽りがあって、花ではなく、隣に太ったおばさんがいた。太ったおばさんの隣には大変に美しい娘がいて、ケーキなどバクバク食べていたので、大丈夫かな、と心配していると案の定、首から下は母親ほどではないがかなりのもの。
白人は小顔が多いというか、太っても顔は太らない。だから太ってしまうという面もあるかもしれない。きれいな顔とのギャップが大きいだけにかわいそう。
これはブラック・ドッグ(The Black Dog)というブランドのお店。The Black Dogは1971年、ヴィニヤード・ヘブンに開店したレストランで、土産物のTシャツが有名になったのが始まりのようだ(詳しくはWikipediaで)。
エドガー・タウンの映画館。細々とした感じはレキシントンの映画館と同じだが、平日(今日は月曜)でもかなりの人出だから、ウィーク・エンドは大変なんじゃないだろうか。また、6月後半に夏休みが始まれば、長期滞在客が増え、何もすることがないから今日は映画でも行くか、ということになるのでは。
バスでヴィニヤード・ヘブンに移動。今回も待ち時間ゼロ。
この町は本当に小さくて、見るほどのものもない。ここの映画館は一層ひどくて、営業しているのかどうかもあやしい。
建物がいい感じなので立ち寄ったが、大したものは売っていない。家の角に斜めに突き出た出窓の形がめずらしい。
これは銀行=Bank of Martha's Vineyard。お金持ちが多いから、取引額は案外大きいかもしれない。ウェッブ・サイトを見ると、なかなか歴史のある銀行のようだ。
帰りのフェリーの時間も近づいてきたので、仕上げのアイスクリーム。看板に「FAMOUS」と書いてあるので、有名に違いない。
USA Todayという新聞の記事によるとスピルバーグなどの有名人も食べに来るらしい。
Open from May to October, "Mad Martha's has quite a reputation (it's frequented by a number of celebrities, including Steven Spielberg and Sen. Ted Kennedy), and it's well deserved because the homemade ice cream is delicious" and made daily. If you have to be somewhere eating ice cream, this is it." 508-693-5883
長女が選んだピスタチオ・アイスクリーム。ピスタチオ味は、ここのオリジナルというわけではなく、アメリカでは定番。日本人には意外なコンビネーションだが味はいい。しかし、「アイス+ピスタチオ」は「太る+太る」だから、ちょっと尻込みしてしまう。
エドガー・タウンのフェリー乗り場。4時のフェリーでウッズ・ホールへ。
ちょっと寒かったが、のんびりと気晴らしができて、いい一日だった。次回は(機会があれば)、是非島の西端にあるゲイ・ヘッド(Gay Head)まで足を伸ばしたい。46mの断崖があって、クジラやラクダ(?)の化石が見つかっているそうだ。
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