2009年4月26日日曜日

バック・ベイ(Back Bay)

木蓮(magnolia)の花を見に、今日もボストンへ出かけた。ボストン・コモンBoston Common)の南西に広がる一角はバック・ベイ(Back Bay)と呼ばれる<地図>。バック・ベイにはボストン・パブリック・ガーデン(Boston Public Garden)、公共図書館、トリニティ教会、ジョン・ハンコック・ビル、コプリー・センターなどがあるが、今日は単にCommonwealth Avenue沿いの住宅街に咲く木蓮を眺めにきた。

色違いの木蓮も美しい。ちょっと時期を過ぎてしまったようだが、まだまだ美しい。ピンクの木蓮は、遠くから見るとサクラのように見える。日本人だからそう思うのかもしれない(多分そうだろう)。

上の写真は、小奇麗な格好をした若い女性が3人並んで歩いているだけだが、アメリカにある程度住んでいる人にはちょっと違和感のある光景かもしれない。というのも、パーティーなど以外でアメリカ人がきれいな格好をしていることは大変珍しく、どうしてもカジュアルかそれ以下に流れがちだ。それが、3人とも小奇麗な格好をしているとなるとその確率は大変低い(3人とも太っていないというのも珍しい)。バック・ベイはお金持ちの町だからかもしれない。一方、浮浪者かと思うような格好をしていても全く素性が予測できない。そのような人が最終的に高級車に乗ってその場を立ち去るというような場面に多々遭遇する。ま、自分の格好もかなり怪しいけど。

2009年4月25日土曜日

Photo - Clock Tower



新旧様々のビルが共存する街=ボストン
Boston, MA, 04/25/2009

Photo - White Church



春の陽射しに映える白い教会 新緑とのコントラストがいい
Lexington, MA, 04/25/2009

ボストン・パブリック・ガーデン(Boston Public Garden)

ボストン・パブリック・ガーデンBoston Public Garden)は、Charles Streetをはさんでボストン・コモン(Boston Common)の西側に隣接し、1837年にアメリカ史上初の公立植物園として造園された<地図>。

ボストンには、何でもアメリカ最古のものが多い。

写真の女性はここでストリート・パフォーマンスをしている。この女性は不動のまま人形を装い、お金を渡したときにだけ「少し」動いて、一緒に写真におさまってくれたりもする。今日のはちょっと人間くさいが、本当に人形かと思うようなのもある。

後ろのアベックの女の人は、携帯で撮影した写真に満足げな様子。右の写真をクリックすると拡大される。


スワン・ボート(Swan Boats)は、小さな池をただ一周するだけのものだが、大変に人気がある。資料を見ると120年以上続くボストンの夏の風物詩だそうだ。こんなものにまで歴史があったとは....

写真奥の茶色の建物は高級ホテル=フォー・シーズンズ・ホテル・ボストン(Four Seasons Hotel Boston)。

このカモの親子の銅像は、パブリック・ガーデンの北の端にあって、この公園を舞台にした「かもさんおとおり」(Make Way for Ducklings)という童話を記念してつくられたもの。このカモの親子は、Mallardファミリーといい、当たり前だが8羽の子供たちにもちゃんと名前がついている。

親子連れには絶好の記念撮影ポイント。

ボストン・コモン(Boston Common)

ボストン・コモンBoston Common)はアメリカ最古の公園。1634年に植民地市民のために購入され、市民の憩いの場所であるとともに集会や演説が盛んに行われた。ここの観光案内所を基点とするフリーダム・トレイルFreedom Trail)は、道路に書かれた赤い線を辿れば、迷うことなく歩いて市内観光ができるという優れもの<地図>。

記事中の写真をクリックすると拡大される。

コモンの東の端に桜が植えられている。一応これを見るためにここまでやって来た。アメリカでは、特にサクラを愛でる習慣はないし、公衆の場ではお酒が飲めないので、一向に盛り上がらない。

1851年、アメリア・ブルマー(Amelia Jenks Bloomer)という女性が、ここボストン・コモンで、当時としては珍しい男性のズボンに似た服装をして女性の権利を訴えた。これが社会的反響を呼び、後に運動着のブルマーとして定着したらしい。

写真の背景となっている古い建物は、ビーコン・ヒル(Beacon Hill)の高級住宅街。芝生に寝そべっているのは学生が多い。アメリカの学生は、まず勉強に忙しいが、日本のように遊ぶ場所が豊富になくて、「じゃあコモンでフリスビーする?」というような感じになる。健全といえば健全。

ボストンのいいところは、こういう歴史的な場所が、今でも同じ目的でちゃんと利用されていること。ここで学生達が語り合っていることが明日のアメリカの姿となる。

フリーダム・トレイル(Freedom Trail)

今日はヘイマーケットHaymarket)の近くに駐車したので、クインシー・マーケット(Quincy Market)から逆方向にフリーダム・トレイル(Freedom Trail)を歩いてボストン・コモンBoston Common)に向かった<地図>。ボストン市内の観光名所は比較的狭い範囲にある。ボストン・コモンの観光案内所から全長2.4キロにわたって写真のような赤い線が引かれているので、これを辿って行けば主な観光名所を迷わずに歩いて回ることができる。

今回はその一部を歩いただけだが、短時間で随分多くの歴史的遺産に出会うことができる。

クインシー・マーケット近くのUnion Streetにあるユニオン・オイスター・ハウス(Union Oyster House)。1826年にできたボストン最古のレストラン。また、継続して営業を続けるレストランとしてはアメリカ最古。1Fがオイスター・バーで2Fがダイニングルーム。上のリンクでホームページを見ると分かるが、創業当時から建物の概観はほとんど変わっていない。ボストンの過去と現在を比べる写真集があるのだが、本当に何百年も景観の変わらないところが沢山あって興味深い。ユニオン・オイスター・ハウスのように元の目的で使われているものはもっとすばらしい。

クインシー・マーケット(Quincy Market)は200年近い歴史を持ち、各種みやげ物店、ファストフードから高級レストラン、あらゆる高級ブランド店までが軒を連ねる一大ショッピング・センター。今日は素通りしたが、今度改めてゆっくり回って写真を撮ろう。買い物好きの人、食べるのが好きな人はここで丸一日でも遊べる。私は、化石の店が一軒あって、何度行っても楽しめる。

ファニュエル・ホール(Faneuil Hall)は、1742年に貿易商のピーター・ファニュエル(Peter Faneuil)がボストンの町に寄贈した建物で、植民地時代から自由な討論の場を提供し、アメリカ革命発祥の地として有名。この建物の前に立つのはサミュエル・アダムス(Samuel Adams)の像で、アメリカ独立に対する功績を記念したもの。「Samuel Adams」はボストンの有名な地ビールの名前でもある。こちらでは親しみを込めて単に「Sam」と呼ばれる。例えば、Samuel Adamsの生ビールを注文するときは「Sam on tap!」という。

旧州会議事堂(Old State House)。1713年に建てられたボストン最古の建築物。1798年に今の建物に移るまで州会議事堂として使われた。1776年7月18日の独立宣言が読み上げられたのはこの建物の二階のバルコニー。

今は周辺のビルとのコントラストが面白い。ガイドの説明に多くの観光客が耳を傾けている。

School StreetとWashington Streetの角にある農家の納屋のような屋根が印象的な建物。手元の資料では現在ボストン・グローブ・ストアとあるが、どうも経営者が替わっているようだ。以前はオールド・コーナー書店(Old Corner Bookstore)で、エマーソン、ホーソン、ロングフェロー、ローエル、オリバー・ウェンデル・ホームズらのアメリカを代表する文学者が集い、語らいのひと時を過ごした場所らしい。

オールド・サウス集会場(Old South Meeting Hall)。1729年に建てられ、先の旧州会議事堂に次いでボストンで2番目に古い建物。教会のような建物だが、植民地時代の市民が独立に向けて白熱した議論を戦わせた場所として有名。

今はその前に平和な花屋さんが出ているのが面白い。

ボストン・コモン近くのパーク通り教会(Park Street Church)。塔の先が八角形で普通の教会とは異なるそうだ。1810年に建てられ、ウィリアム・ロイド・ギャリソン(WIlliam Lloyd Garrison)が初めて奴隷制度反対の演説を行った場所として有名。このようにボストンは、独立や奴隷解放によって今日の自由の国「アメリカ」を築き上げていくための先鋭、発端となった場所や人物、史実に事欠かない。またボストン、あるいはマサチューセッツ州は、リベラルであることも含めて、伝統を重んずる町である。

今日は、その教会の入り口で結婚式の記念撮影が行われていた。新郎の髪の毛の行く末がちょっと心配だが、りっぱな教会だから何かご利益があるかもしれない。ボストン・コモンやパブリック・ガーデンでも新郎新婦を何組か見かけた。こちらにもお日柄みたいなものがあるのだろうか。

1798年にボストン・コモンの北側、ビーコン・ヒル(Beacon Hill)に建てられた州会議事堂(Massachusetts State House)。何といっても(誰が見ても)金色のドームが印象的。もちろん現役の州会議事堂。

西側の入り口にはボストンが生んだ第35代大統領ジョン・F・ケネディー(JFK)の銅像が立つ。ボストンの隣町(ブルックライン)にJFKの生家がある。JFKは、その隣町ケンブリッジ(Cambridge)にある名門ハーバード大学(Harvard University)出身。

帰り道。旧州会議事堂と金融街に建つ時計塔(Custom House Tower)の組み合わせが面白い。この時計塔は1910年代に建てられたものだが、高さは151メートルもあって、いまでもボストンで17番目に高い建物らしい。もっとあたらしい建物かと思っていた。夜景もすばらしい。

ようやくクインシー・マーケットまで戻ってきた。今日は今年最高の暑さで、初めて30度を超えた。最後にヘイマーケットで果物と野菜を少し買って、ちょっと気だるいような疲労感と充足感にひたりながら家路についた。

ヘイマーケット(Haymarket)

土曜日の午後、ボストンのダウン・タウンに出かけた。ヘイマーケット(Haymarket)は、ボストンのイタリア人街ノース・エンド(North End)の人たちが毎週金曜と土曜日にBlackstone Street<地図>で開く青空市場(果物・野菜・魚介類)。とにかく何でも安くて、ほとんどは1ドル、高くて3ドル。「どれでも1箱1ドル(buck a box!)、安いよ安いよ」というような威勢のいい掛け声が響く。安いものを目がけて来るので、客層は大変庶民的で、人種も多様となる。


さらに、マーケットの近くの駐車場がタダ同然(1時間1ドル程度)になるのが魅力的。ボストンでは30分10ドル程度は覚悟しなければならないので、これはものすごく安い(というか、もし普通に駐車場代を払ったら、ヘイマーケットで安いものを手に入れても意味がない)。従って、我家ではここに駐車してノース・エンドで食事をしたりする。当然イタリアン。

今日はフリーダム・トレイルFreedom Trail)を通ってボストン・コモンBoston Common)まで散歩に出かけた。地図中Bポイントがヘイマーケットが開かれるところで、その北東がノース・エンド、そして南西1キロ弱のところにボストン・コモンパブリック・ガーデンがある。

遅い春のきざし - レキシントン(Signs of Early Spring - Lexington)

春の陽気に誘われてレキシントンLexington)のセンターに出かけた。写真は、1775年にアメリカ独立戦争の発端となったレキシントン・コンコードの戦いで最初の銃声が放たれたBattle Green(今は小さな公園)の北側にある教会。

この辺りは、北海道の旭川と同緯度に位置するので春がとても遅い。ようやく新芽が出始めたところだ。しかし、そうなると一斉に木々は緑になり、様々な花が咲く。それまでの枯れ枝の景観が嘘のようだ。

記事中の写真をクリックすると拡大される。

Battle Greenの南の端に建つアメリカでは大変有名なミニットマンMinute Man)像。ボストンの日本語ガイドブックにも必ずと言っていいほどこの像の写真が載っている。説明はウィキペディアにゆずる(上のミニットマンのリンクをクリック)。全米各地から観光客が訪れるが、この像以外に特に見るべきものはない。よく見ると像の土台の右側にアメリカ版のカメラ小僧がいる。

ミニットマン(Minute Man)は、独立戦争当時からの民兵組織で、招集されたら1分(minute)で駆けつけたことに由来する。写真の建物は当時ミニットマン達がたむろしていたBuckman Tavernという居酒屋で、Battle Greenのすぐ横にある。まあこういうところに「集結」していたので、1分で駆けつけることができたわけですね。

この辺りの町(大きくなると市)は、自治の単位となっていて、町のセンターには町役場(Town Hall)、警察、郵便局、銀行、レストラン、喫茶店、その他のお店が集中し、その周りに住宅地が広がる。<地図>を見ても分かるように、集中しているといっても規模は小さくて、パチンコ屋もコンビ二もない。地図中のAポイントのすぐ北西がBattle Greenで、南東にレキシントン・センターが延び、南西の大きな施設はレキシントン高校(Lexington High School)。

こういう所になくてはならないスターバックス。歩道の横にはベンチが並べられ、観光やサイクリングの途中に休憩したり、町の人がのんびり本や新聞を読んでいたりする。なかなかいい雰囲気だ。

ちなみにスターバックスの第一号店は、一郎のマリナーズの本拠地シアトル(ワシントン州)にあって、今でも営業している(学会のついでに行ったことがある)。その店だけのオリジナル・カップなんかも買うことができる。

景観条令のようなものがあるのだと思うが、レキシントン・センターの建物はどれも赤レンガで統一されている。Bank of America(バンカメ)も銀行らしからぬシックな佇まい。アメリカ人はあまり働かないと思っている人も多いと思うが、銀行は土曜日も開いている。

図書館もセンターの重要な要素。キャリー図書館(Cary Memorial Library)は最近立て替えられた立派な図書館で、高校からも近くて、学生が放課後に勉強するための静かな部屋も備えられている。私の子供たちも随分利用させてもらった。

2009年4月20日月曜日

リンとスワンプスコット(Lynn and Swampscott)

今日はPatriots' Day(愛国者の日)で、アメリカ独立戦争の発端となったレキシントン・コンコードの戦いBattles of Lexington and Concord)を記念するマサチューセッツ州の休日。我が町レキシントンLexington)<地図>では記念式典やパレードがあり、私たちの三人の子供はパレード・バンドとして毎年参加してきたが、私たち(私と妻)はほとんど出かけたことがない。 余談になるが、ボストンを本拠地とするアメフト(NFL)のペイトリオッツはこのPatriots。愛国者たちということで、日本だとかなり右よりの集団かと思われてしまう。

自由の国アメリカでは、州の休日あるいは国の休日だからといって一斉にお休みというわけではない。いつ休むかは各学校、自治体、会社がそれぞれ自分の意思で決める。私の勤める会社(アメリカのバイオ製薬企業)ではPatriots' Dayは休日ではない。しかし有給休暇が消化できていないので、休みを取って近く(車で25分程度)のリン(Lynn)とスワンプスコット(Swampscott)の町<地図>にまたがる砂浜に散歩に出かけた。遠くにボストンのダウン・タウンが望める。砂が細かく、砂浜は適度に固くて散歩に適している。犬を連れている人も多い。ボストンは北海道と同緯度にあって随分寒いところだ。今日も10度以下で風が強く、歩いていても寒い。しかし、日差しは強く、春が近いことを感じさせる。

砂浜を一往復してランチにすることにした。この砂浜の北の端にはレストランが2軒ある。一つはアンソニーのピア4カフェ(Anthony's Pier 4 Cafe)というボストンのダウン・タウン近くの第4埠頭に本店のある高級シーフード・レストラン。もう一件は赤岩居酒屋?(Red Rock Bistro & Bar)で、月曜日は生ガキが1個1ドル。高級レストランに出かけても値段ほど美味しいというわけでもないので、節約のためいざ手前の居酒屋へ。中は思ったより込み合っていて、比較的きちんとした身なりの、実によく話す年配の客が多い。居酒屋とはいえ、クラム・チャウダーが1カップ$4.50、他の昼食メニューも$10~$15なので、二人だとチップ込みで$50程度になる。決して安くはない(だから年配客が多くなる)。しかし、クラム・チャウダーはなかなか美味しかった。満腹になったところで、自宅に近いショッピング・モール(Burlington Mall)でウィンドー・ショッピングをして帰宅(最近とんと物欲がなくなってきた-節約が板についてきた?)。いや、本当に何もしない、贅沢な一日だった。