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今日は
ヘイマーケット(
Haymarket)の近くに駐車したので、クインシー・マーケット(
Quincy Market)から逆方向にフリーダム・トレイル(
Freedom Trail)を歩いて
ボストン・コモン(
Boston Common)に向かった<
地図>。ボストン市内の観光名所は比較的狭い範囲にある。ボストン・コモンの観光案内所から全長2.4キロにわたって写真のような
赤い線が引かれているので、これを辿って行けば主な観光名所を迷わずに歩いて回ることができる。
今回はその一部を歩いただけだが、短時間で随分多くの歴史的遺産に出会うことができる。
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クインシー・マーケット近くのUnion Streetにあるユニオン・オイスター・ハウス(
Union Oyster House)。1826年にできたボストン最古のレストラン。また、継続して営業を続けるレストランとしてはアメリカ最古。1Fがオイスター・バーで2Fがダイニングルーム。上のリンクでホームページを見ると分かるが、創業当時から建物の概観はほとんど変わっていない。ボストンの過去と現在を比べる写真集があるのだが、本当に何百年も景観の変わらないところが沢山あって興味深い。ユニオン・オイスター・ハウスのように元の目的で使われているものはもっとすばらしい。
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クインシー・マーケット(
Quincy Market)は200年近い歴史を持ち、各種みやげ物店、ファストフードから高級レストラン、あらゆる高級ブランド店までが軒を連ねる一大ショッピング・センター。今日は素通りしたが、今度改めてゆっくり回って写真を撮ろう。買い物好きの人、食べるのが好きな人はここで丸一日でも遊べる。私は、化石の店が一軒あって、何度行っても楽しめる。
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ファニュエル・ホール(
Faneuil Hall)は、1742年に貿易商のピーター・ファニュエル(Peter Faneuil)がボストンの町に寄贈した建物で、植民地時代から自由な討論の場を提供し、アメリカ革命発祥の地として有名。この建物の前に立つのはサミュエル・アダムス(
Samuel Adams)の像で、アメリカ独立に対する功績を記念したもの。「
Samuel Adams」はボストンの有名な地ビールの名前でもある。こちらでは親しみを込めて単に「Sam」と呼ばれる。例えば、Samuel Adamsの生ビールを注文するときは「Sam on tap!」という。
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旧州会議事堂(
Old State House)。1713年に建てられたボストン最古の建築物。1798年に今の建物に移るまで州会議事堂として使われた。1776年7月18日の独立宣言が読み上げられたのはこの建物の二階のバルコニー。
今は周辺のビルとのコントラストが面白い。ガイドの説明に多くの観光客が耳を傾けている。
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School StreetとWashington Streetの角にある農家の納屋のような屋根が印象的な建物。手元の資料では現在ボストン・グローブ・ストアとあるが、どうも経営者が替わっているようだ。以前はオールド・コーナー書店(Old Corner Bookstore)で、エマーソン、ホーソン、ロングフェロー、ローエル、オリバー・ウェンデル・ホームズらのアメリカを代表する文学者が集い、語らいのひと時を過ごした場所らしい。
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オールド・サウス集会場(
Old South Meeting Hall)。1729年に建てられ、先の旧州会議事堂に次いでボストンで2番目に古い建物。教会のような建物だが、植民地時代の市民が独立に向けて白熱した議論を戦わせた場所として有名。
今はその前に平和な花屋さんが出ているのが面白い。
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ボストン・コモン近くのパーク通り教会(
Park Street Church)。塔の先が八角形で普通の教会とは異なるそうだ。1810年に建てられ、ウィリアム・ロイド・ギャリソン(
WIlliam Lloyd Garrison)が初めて奴隷制度反対の演説を行った場所として有名。このようにボストンは、独立や奴隷解放によって今日の自由の国「アメリカ」を築き上げていくための先鋭、発端となった場所や人物、史実に事欠かない。またボストン、あるいはマサチューセッツ州は、リベラルであることも含めて、伝統を重んずる町である。
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今日は、その教会の入り口で結婚式の記念撮影が行われていた。新郎の髪の毛の行く末がちょっと心配だが、りっぱな教会だから何かご利益があるかもしれない。ボストン・コモンやパブリック・ガーデンでも新郎新婦を何組か見かけた。こちらにもお日柄みたいなものがあるのだろうか。
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1798年にボストン・コモンの北側、ビーコン・ヒル(Beacon Hill)に建てられた州会議事堂(
Massachusetts State House)。何といっても(誰が見ても)金色のドームが印象的。もちろん現役の州会議事堂。
西側の入り口にはボストンが生んだ第35代大統領ジョン・F・ケネディー(JFK)の銅像が立つ。ボストンの隣町(ブルックライン)にJFKの生家がある。JFKは、その隣町ケンブリッジ(Cambridge)にある名門ハーバード大学(Harvard University)出身。
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帰り道。旧州会議事堂と金融街に建つ時計塔(
Custom House Tower)の組み合わせが面白い。この時計塔は1910年代に建てられたものだが、高さは151メートルもあって、いまでもボストンで17番目に高い建物らしい。もっとあたらしい建物かと思っていた。夜景もすばらしい。
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ようやくクインシー・マーケットまで戻ってきた。今日は今年最高の暑さで、初めて30度を超えた。最後にヘイマーケットで果物と野菜を少し買って、ちょっと気だるいような疲労感と充足感にひたりながら家路についた。
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