3時ごろ会議からオフィス(アメリカの会社だから個室)にもどってくると留守電ありのサインが。ある化学会社の知り合いの営業(女性)からで、今夜のレッド・ソックス(Red Sox)のチケットが2枚あるけど行かないか、という電話。急な話だが、すぐに「行く行く」と返事。4時にわざわざチケットを届けに来てくれた。この会社とは、未だに大きな取引はないが、こういう接待をしたからといって、次の契約を期待しているというわけでもない。あっさりしているというか、気が長い。
化学会社からもらったチケットなので一応会社の化学者(chemists)を誘って出かけようと思ったのだが、全員会議中でつかまらない。周囲の人間も予定が合わないようなので、最終的に妻と行くことにした。
レッド・ソックスのホーム・グラウンドはボストンの中心地にほど近いフェンウェイ球場(Fenway Park)。
右の写真は、三塁側の球場の外、試合前のYawkey Wayの様子。ここにはお土産物屋さん、ホットドッグやビールを売る店などがある。右の足長おじさんは、いつもここにいてキャッチボールなどをして客を楽しませている。
今日は会社を少し早く出て、5時過ぎに球場に着いた。試合開始は7時なので、ゆっくり夕食がとれる。しかし、到着が15分ほど遅れると駐車場が見つけられなかったりする。今日は球場から数分のところに30ドルでとめられた。高いところは50ドルするので、何十分も歩くか、地下鉄を使う人が多い。
開会のセレモニー。国旗は分かるが銃はどうもね。この後国歌斉唱と始球式があって試合が始まる。今日は戦闘機は飛んでこなかったが、特別な折には国歌斉唱終了と同時に球場の真上を編隊が通り過ぎる。球場は大変盛り上がる。
真中の女性は、簡単に言うとファール・グラウンドの球拾いだが、こちらではファール・ボールはすべて観客のものなので、この女性が拾った球を誰に渡すか、テレビ中継も含めて非常に関心が高い。大抵は小さい子供が受け取る。
球場には食べ物・飲み物は持ち込めない。売り子が水、コーラ、ピーナッツ、ポップコーン、アイスクリーム、綿あめ、ホットドッグ、ピザなどを次々と売りに来る。ここはボストンだから、右の写真のようにクラムチャウダーも売りに来る。
「ピーナッツ」と呼ぶとかなり遠くからでもビーナッツの袋を投げてよこす。お金を手渡しできない場合は、周囲の客が現金をバケツ・リレーしてくれる。値段は4ドル50セントなので、50セントのおつりは大抵チップということになる。結構いいバイトかもしれない。
実によくビールを飲む。どういうルールかよく分からないが、最前列15席くらいは売り子がビールを売りに来るが、その他の席では自分で売店に行かなければならない。
ここは三塁側のスタンド席、かなり後ろの方だがチケットの額面は85ドルする。発売後にインターネットで買うと2倍以上する。これに駐車場代を加えると相当な額になるが、これが毎日一杯(3万9千人)になることを考えると、大した経済力だと思う。
主力打者オーティス(David Ortiz)の3ラン・ホームランに大騒ぎの観客達。フェンウェイ球場には基本的にはレッド・ソックス・ファンしかいないので、安心して応援できる。
レッドソックスの試合は空席がないことでも知られている。中継の映像を見れば分かるが、内野だけでなく、外野にも空席がない。外野といっても、レフト・スタンドの席はグリーン・モンスターと呼ばれていて、チケットの額面が125ドルくらいしたように思う。
ここで売られているピーナッツは殻ごと塩茹でされていて、これを手でむきながら食べると、いい加減の塩味がする。足元はご覧の惨状になるが、これは認められている。
ファール・ボールをゲットしたおじさんが左手を挙げている。僕の後ろに座っていた巨大なお腹のおじさんは、それを大変羨ましそうに見つめる。写真には写っていないが、この太ったおじさんとその左隣、同じ体格の息子の左手にはいつでもボールが受け取れるよう、グローブがはめられているのだ。
球場では、攻守交替の間、写真のように布やボードに書いたメッセージを掲げる人も多い。選手への激励や知人の誕生日など。テレビ中継も交替の時間なのでなるべくこれを映すようにしている。
外野スタンドの電光掲示板もいろいろなメッセージを伝えるのに使われる。右の写真は誕生祝のメッセージだが、プロポーズにもよく使われる。今日も一人結婚を申し込んでいた。
球場は本当に満員。そして野球帽の数の多さにも驚かされる。アメリカ全体だと、一体何億個の帽子があるんだろうか?
今日は途中から速球投手=ダニエル・バード(Daniel Bard)が登板した。Wikipediaの情報では、通常で時速97-98マイル、最高101マイルとあるが、今日時速100マイルの表示を見た。160キロ以上の球は遠くから見ても随分早かった。
驚くのは、フェンウェイ球場のスコア・ボードは手動だということ。この辺は大変ボストンらしい。試合の点数はボードの裏から変えられるようになっているが、他の表示は写真に写っているドアから係員が出てきてボードを差し替えたりする。超アナログ。
濃厚なキス。スマップの誰かが公然猥褻かなんかで逮捕されて大騒ぎになっていたが、何人の人に公然と猥褻物を陳列したというのだろうか。右斜め前のカップルは4万人を前に濃厚なキスをしている。いいんですかね。
この二人、実はビールでかなり酔っている。球場の音楽に合わせて隣のおばさんと踊りだした。もちろん、そのおばさんも酔っている。西洋人は酔いが顔に出ないから、こういう奇行に出ない限り、酔っているのかどうか判断し辛い。
試合が終わって家路を急ぐ観客達。僕達は駐車場の方へ、この人たちは地下鉄の駅へ。
この時間、ボストンで最も人口に密集した場所に違いない。
我々は駐車した場所が良かったので、渋滞もなく帰宅できた。帰宅時気温13度。ボストンは本当北国だね。
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