2009年8月31日月曜日

門出(Brand-New Start)

次女が新しい学び舎に巣立っていった。

長女のときには特大スーツケースを6つ(長女と妻と私が各2個、当時は一人2個まで無料)持って、飛行機で6時間半のカリフォルニアに引越しだったが、次女の場合は地元の大学なので引越し自体は楽ちん。車で25分くらいで着いてしまう。ただし、荷物の中身を揃えるのには、妻も加わって、何ヶ月もかかった。

マサチューセッツ州はいい大学が多いので、本当に助かる。

次女の入るドーム(寮、ドミトリーの省略形)の外観。大変りっぱ。

今日は新入生の引越し日なので、新入生もその親も、なんだか戸惑いがちな人たちが右往左往している。といっても大した人口密度ではない。一学年が500人程度の少数精鋭主義。

私も会社を休んで、月曜日の早朝から大活躍(?)。

ドーム内の部屋。二人部屋でベッド、勉強机、タンス、ウォークイン・クローゼット、ワイヤレス・インターネットが備え付けられている。窓が大きくて明るい。夏休みが長いので、一般的に冷房設備はない。

この大学は基本的に4年間全寮制。他の大学でも1・2年の間は寮に入るところが多い。

ここは4つの寮のコンプレックスになっていて、ハリー・ポッターの映画のように、各寮ごとに名前がついている。キャンパス内にはこのようなコンプレックスがいくつかある。各コンプレックスごとにメニューの異なる食堂がある。次女の入る寮の食堂はベジタリアン。

各寮にはこのようなリビングがあってピアノも置いてある。大きな暖炉もある。ハリー・ポッターがロンやハーマイオニーとこそこそ話しているのは、実際にはこういう場所。

次女の寮から程近いキャンパス・センターの建物。食堂や郵便局、キャンパス・ショップ、自治会の部屋などがある。

キャンパス・ショップで大学のステッカーを買った。車のリア・ウィンドウにはる。これは、アメリカで大学生を持つ親の数少ない慰めで、高い授業料を払う代償。小さな誇りであったり、またマーケットの駐車場で同じ大学に子供をやっている親同士が立ち話をするきっかけになったりする。

キャンパス・センター前の木。ホオズキのような実がたわわに生っている。

キャンパス・センター内の食堂。学生も多国籍だし、メニューは豊富だが、それでも4年も過ごすとなると学生の評価は厳しいかもしれない。食事の美味しさは大学ランキングの重要な要素になっている。

次女の入る寮でベジタリアンが嫌いな学生はここに食べにくればよい。全寮制で食費は払い込んでしまっているので、学内のどの食堂で食べてもお金を払う必要はない。食べる量が違うのに料金が同じなのはおかしい、などとごねる人はいない。

食堂のテーブル。ここは女子大なので施設が丁寧に使われているように思う。

キャンパス・センター内にある私書箱。学生は、各自一つの私書箱を割り当てられる。大きな荷物はセンター内の郵便局で保管してくれる。

寮の入り口で使われなくなった古い私書箱を発見。寮監のおばさんが懐かしそうに思い出を語ってくれた。

この大学で一番古い寮のコンプレックス。食堂が見たかったので昼食をとりに出かけた。

ヘルスケア・センターへ出かける途中の景色。睡蓮の咲く池に映る白樺の木が美しい。いつか改めて写真を撮りに来なければ。

ヘルスケア・センター。ちょと古めかしい。予防接種が不足していると言われたが、後日次女の主治医が確認、連絡してくれてOK。規定の予防接種を済ませていないと学生証が発行されない。アメリカの場合、州ごとに基準が異なる場合があるので、多少混乱がある。

サイエンス・センター。以前ツアーに参加したことがあるが、生物や化学実験施設など、大変充実していて羨ましいくらいだ。

アカデミック施設コンプレックス内の講義室の入る建物。レンガ造りのいい雰囲気の建物だ。

キャンパス内には映画館もある。スクリーンはそれほど大きくはないだろうが、無料で映画が観られる。贅沢なと思うかもしれないが、全寮制だからこういう施設も必要になる。

一日の終わりに、キャンパス内の教会に父兄を集めてウェルカム・セレモニーが行われた。学長のスピーチは大変すばらしく、この大学で子供たちが如何にすばらしい教育を受けられるか、そしてそれがどれほど価値のあることか、説得力のあるトーンで話しかける。こちらとしては、目の飛び出るような学費(年間500万円以上)は払い込んでしまったわけだし、あとはその投資の甲斐があったと思えた方が平和でいられるので、神妙に聞き入る。

セレモニーの後は子供たちも参加して小さなレセプション。飲み物と軽食が用意され、子供たちとの最後の会話を楽しみ、ここで別れる。そして、ここから子供たちの新たなチャレンジが始まる。

キャンパスの中心にある時計台。学校紹介のビデオで最初に登場する象徴的建物。

アメリカのいい大学は、本当にすばらしい教育の機会を提供していると思う。大変羨ましく思う。子供たちには、そのような機会を存分に利用して、力をつけ、そして自分の夢を実現する能力を身に着けてほしいものだ。がんばれ!

2009年8月22日土曜日

衆議院選挙-点心-ハリポタ(Lower House Election, Dim Sum, and Harry Potter)

衆議院選挙に行ってきた。アメリカに住んでいるが、まだ日本人なので、ボストンの領事館で投票ができる。しかも、今年から比例区だけでなく小選挙区の投票も領事館でできるようになった(これまでも郵送では投票できた)。日本を出る時点で最後に住んでいたところの小選挙区に投票できるわけだが、実際には住んでいないので、あまり意味がないような気もする。

右の写真は、領事館の目の前にあるサウス・ステーション(South Station)。ボストン最大の交通基地で、ニューヨークやシカゴと結ぶアムトラック(長距離鉄道、Amtrak)、グレーハウンドなどの長距離バス、地下鉄、近郊の町と結ぶコミューター・レールなど、主要交通機関のほとんどがこの駅に乗り入れている。建物はなかなか格調高い。

「H」のように見える白い建物が日本領事館の入っている銀行(Federal Reserve Bank of Boston)のビル。運河をはさんで海側から眺めたところ。

このビルは、大変セキュリティーが厳しく、さらに警備員が全く愛想がないので、訪れる度に気分が悪い。

この辺りは、アメリカ独立の前哨戦ともいえるボストン茶会事件Boston Tea Party)のあったところ。

橋の上から運河を望むと、巨大な牛乳ビンが目印の子供博物館(The Children's Museum)が見える。

ボストンに来た頃、子供を連れて一度だけ行ったことがあるが、比較的小さな子供向けの展示やアトラクションが多く、あまり面白くなかったような記憶がある。日本人として印象深いのは、ボストンと京都の姉妹都市提携を記念して、館内に京都の古い家屋(町屋)が丸ごと一軒再現されていること。さらに驚いたのは、京都の町並みを紹介する写真が知り合いの甲斐扶佐義の撮ったもので、彼の経営する喫茶店:ほんやら洞は下宿のすぐ近くにあった。写真の殆どは私の生活圏内のもので、何故ボストンの子供博物館でこういう写真を見ているのか、大変不思議な気がした。

領事館内の投票所の様子(ちょっとピンボケ)。非常に静かで、かなりの人数の大人がいるのに誰も無駄口をたたいていないのは若干奇妙な風景だった。

さて、真剣に投票を終えて、徒歩5分ほどのところにあるチャイナ・タウンで飲茶(ディムサム、Dim Sum)の昼食。チャウ・チャウ・シティ(Chow Chow City)は地元中国人にも人気のお店。

上の写真のように、店の表はいたって無愛想だが、店の中は大変な活気。特に中国人が多いというわけではなく、アジア人も白人も黒人も、ワイワイ言いながらガンガン食べている。

飲茶とは、お茶を飲みながら点心を食べることだそうだ。飲茶が中国人以外にも好まれるのは、何種類もの点心を味わえるということもあるだろうが、右の写真のように様々の点心がカートでテーブルの横まで運ばれてきて、おばさんにふたを開けてもらって中身を見て、確実に自分の好きなものを選べるからだと思う。外国の料理は、メニューの説明だけでは何が出てくるか不安なものだ。会社のアメリカ人と話していると、はっきり口には出さないものの、特に中華料理は材料が何かよく分からないというところに若干の不気味さがあるようだ。

帰りにヘイ・マーケットに立寄った。以前にも紹介したように(記事)、駐車料金が安いので、ここに車を置いてちょっと周辺を散策しようというアイデア。

いつ来ても感じるが、安いものに引かれて集まる人々は、本当に多国籍、多様で、実に活気がある。

シティー・ホールの広場で何やらイベントをやっていた。いろいろな国の食べ物や工芸品が展示即売されていた。

2センチほどの小さな針金のトカゲを見つけた。なかなか愛嬌がある。アフリカのどこかの小さな国からの輸入品だったが、国の名前を忘れてしまった。2匹5ドルで売っていたが、交渉の末、1匹3ドルで落札。長男へのお土産にした。

さて、この日は大変イベントの多い一日だった。ボストンでの投票および散策を終えて帰宅してから、次女と長男を連れてハリー・ポッターの最新作:ハリー・ポッターと謎のプリンス(Harry Potter and the Half Blood Prince)を見に行った。日本と同時公開らしいが、我々は近くのIMAXシアターへ3D版を見に行った(関連記事)。様々のシーンが三次元画像だと一層神秘的に見える。

映画のあと、若干お腹が空いたので館内のアイスクリーム屋さんで特大アイスを四人でシェア。アメリカ人はこれを一人で食べてしまう。右の写真はアイスを食べながら見る噴水のショー。結構迫力があって、特に夏は涼しそうだが、冬はどうなんでしょう。

2009年8月12日水曜日

再びレッドソックス(Red Sox Again)

取引業者から急なお誘いがあって、同僚3人を連れて観戦に出かけた。先月、7月11日にも妻と二人で見に来たばかりなので(記事)、ちょっと贅沢な感じ。

業者からチケットをもらった私は、これまでの成果に感謝し、あるいは今後に期待する印として誰を選ぶかを決めることができる。こういう機会は学会参加を認める権限同様、重要な人事ツールの一つ。

さらに今回はEMCレベル(いわゆるボックス席)なので一層贅沢。

右の写真のように、入り口から広めの化粧室、ダイニング、リビング(テレビで観戦もできる。1秒ほど遅れる)、そしてその外に観戦席がある。観戦席にもテレビが設置されていて、リプレーなどを確認できる。

ビール、ワイン、サラダ、ホットドッグ、ピザ、ナッツ、ポップコーン、締めくくりにハーゲンダッツのアイスクリームなどが用意される。

贅沢は何でもそうだが、ボックス席も一度経験すると味を覚えてしまう。

ボックス席は右の写真でいうと二階席。

普通席では自分の席が決まっていて動けないが、ボックス席では観戦するだけでなく、飲んだり、食べたり、話したり、気ままに行動できるところが贅沢だし、アメリカ人の好みに合っている。

観戦のアングルはこんな感じ。近いというわけではないが、全体がよく見える。右端にガラス板が見えるのは、階段から降りる際に、勢いあまって転落しないように。柵ではなくガラスというところがいい。

3回と6回のイニング終了後に行われるグラウンド整備。高いところに登ると、人間なかなか謙虚でいられなくなる。

アメリカでは、成功してお金持ちになることは大きなインセンティブだから、お金を出していい条件を手に入れることは恥ずかしいことではない。

各回の合間にトイレにいくのも大変。ボックス席には化粧室があって、これも贅沢の一つ。

2009年8月8日土曜日

会社の夏の遠足(Family Outing at Kimball Farm)

毎年夏のこの時期に会社の家族サービス・イベントがある。最近何年かはこのキンボール・ファーム(KImball Farm)に来ている。朝の10時くらいからボチボチ遊び始め、昼食をはさんで午後の適当な時間まで遊び、各家族、三々五々、適当に帰っていく。日本のように何時集合、何時解散というな集団行動はしない。

キンボール・ファームは、レキシントンの北に位置するウェストフォード(Westford)という町(村)にあり、車で30分程度。

今日もよく晴れて陽射しが強い。

会場に入る際に手首にベルトを巻いてもらい、これを係員に見せると大抵のものはただで遊べる(会社が払った額による)。我々の場合は右上の写真の気球以外は全て無料。

右上のドライビング・レンジ(100席以上)、右のバンパー・ボートの他、ミニ・ゴルフやビーチ・バレーなど、子供から大人まで結構遊べる。今年はアーケード・ゲームのコーナーもあった。僕はUFOキャッチャーでバスケット・ボールをゲット! 小さな子供のためには専属のクラウン(ピエロ)がいて、風船で動物を作ってくれたり、顔や手にペインティングをしてくれる(一番下の写真を拡大して子供の顔を見よ)。

昼食はバーベキュー・スタイルで、豪華なパテを使ったハンバーガー(実においしい)が主食だが、とにかく満腹になる。午前中に体を動かしているので、ついつい食べてしまう。プラス・マイナスでプラスになってしまうような気がするのだが......

昼食の時間は、もちろん日頃あまり話すことがないような会社の仲間とも交流することができて楽しい。年寄りだと思っていた人に小さな子供がいたり、若いと思っていた人に大学生の子供がいたり、デブの親父に抜群のスタイルの娘がいたり(長持ちはしないと思うけど)、それなりに驚くことも多い。

最高なのは(最悪なのは)、ランチで満腹になった後、少し運動すると早々におやつタイムになる。

キンボール・ファームの自家製アイスクリーム食べ放題! これに抵抗できるアメリカ人は少ない。何種類かのアイスクリームを山盛りにして(日本のどんぶり鉢一杯くらい)、山盛りトッピングをかけ、その上にチョコレートとホイップ・クリームをかけて食べる。お代わりもできる。これでプラス・マイナスで2プラスくらいになる。

いっぱい食べたけど、今日はよく運動もしたし、ま、いいか、などと言い訳しながら家路につく。