2009年11月21日土曜日

喫茶:バーンズ&ノーブル(Barnes & Noble)

バーンズ&ノーブル(Barnes & Noble)は喫茶店ではなく、本屋さんだ。ただ、頭の中では、バーンズ&ノーブルへ行こうと思うとき、70%以上は喫茶店に行こうと思っている節がある。

バーンズ&ノーブルは全国展開の本屋さんで、オンライン・ショッピングも充実している。オンラインで注文して、店で受け取れば送料も節約できる。我家の近所では、車で5分強の隣町のバーリントン(Burlington)にある。

日本の都会の本屋さんを見慣れている人にとっては閑散としているように感じられるだろうが、これは平均的な人口密度。

今年の夏、大阪・梅田の紀伊国屋書店で本を買ったのだが、バーゲン中のデパートみたいで、およそ落ち着いて本を探し、じっくり比べて、買うという、本を読むのと同じくらい重要な文化的行為が成り立たなかった。阪急電車に乗って、ようやくイソイソと本を開くことができた。そういう意味ではアメリカの方が正常。

一階の奥に喫茶コーナーがあって、スターバックスのコーヒーをいれている。チーズケーキ・ファクトリー(The Cheesecake Factory)という人気のチーズケーキ屋さんのチーズケーキも置いてある。

ここでは、書棚の前で本を比べるだけでなく、喫茶店に持ち込んでじっくり読み比べることができる。コーヒーが安いのもありがたい(2ドル弱)。だから、もちろんタダ読みもできるのだが、そういう人はあまり多くないと思う。

マンガ(Manga)コーナーがこんなに大々的にあるとは知らなかった。世界に誇る日本の文化ですね。

2009年11月15日日曜日

フォー・シーズンズでアフタヌーン・ティー(Afternoon Tea at Four Seasons)

大学時代の先輩が、ニューヨークへ出張のついでにボストンを日帰りで訪れてくれた。卒業以来初めて会ったが、人間それほど変わるものではない。

お昼前にローガン空港で先輩を出迎え、ノース・エンド(North End、イタリア人街)で昼食後、フリーダム・トレイルFreedom Trail)を話しながら散策し、ボストン・コモンBoston Common)、パブリック・ガーデンPublic Garden)まで歩いてフォー・シーズンズ・ホテル(Four Seasons Hotel Boston)のアフタヌーン・ティーで長い休憩をとった。

フォー・シーズンズ・ホテルのブリストル・ラウンジ(The Bristol Lounge)はいつものように落ち着いた雰囲気で、ゆっくりと昔話をするには最適の場所かもしれない。

アフタヌーン・ティーのメニューは以下の通り: Scones and Tea Bread. Strawberry Jam, Lemon Curd and Devonshire Cream. Selection of Tea Sandwiches and Pastries. Served with a Pot of Brewed Tea of Your choice.

ホテルのサイトによるとボストンと紅茶の因縁は深いようだ: Since 1773 tea time has been a Boston tradition. On a cold December night, a small band of colonists threw 340 chests of tea into the Boston Harbour as a sign of protest against “taxation without representation.” It was the beginning of a chain reaction that eventually led to the Declaration of Independence. Today, afternoon tea is no longer a sign of protest – it is a civilized, refined respite from the taxing pace of the day’s activities.

2009年11月8日日曜日

エコタリウム(EcoTarium, A Museum of Science & Nature)

我家のメイン・バンク=バンク・オブ・アメリカ(Bank of America)のサービス=「美術館を身近に(Museums on Us)」では毎月第一土曜・日曜に各州数箇所ずつの美術館・博物館が無料になる。

もともと今日(日曜)は出かける予定はなかったのだが、昨日行ったダンフォース美術館(Danforth Museum of Arts)があまりにも不作だったため、口直しにボストンの西約70キロのウースターWorcester)にあるエコタリウム(EcoTarium, A Museum of Science & Nature)に妻と二人で出かけた。

エコタリウムへは州間90号線が便利だが、今日は一般道を使ってのんびり行くことにした。

エコタリウムに行く前に、途中のマールボロ(Marlborough)のオリーブ・ガーデン(Olive Garden)で昼食。オリーブ・ガーデンは、全国展開のイタリアン・レストランで、以前住んでいたウィスコンシン(Wisconsin)州のマディソン(Madison)にも店があった。今は亡き父の車椅子を押しながら夕食に出かけた記憶がある。

サラダは何回でもお代わりOK。ただ、何人で来ても一つだけ注文して、お代わり自由なのかどうか、よく分からない。何かルールがあるのだろうか。少なくとも我々は二人で一つ注文して、1回だけお代わりし、何も文句は言われなかった。

上のパスタはSeafood Alfredo = Sautéed shrimp and scallops tossed with creamy fettuccine alfredo。11.75ドルは割と親切な値段かも。

右のスープはPasta e Fagioli = White and red beans, ground beef, tomatoes and pasta in a savory broth。4.95ドルは安いかも。

今日は日曜日で、ちょうど教会の日曜礼拝が終わって家族がゆっくり昼食を楽しむ時間。オリーブ・ガーデンは、どちらかと言えば家族向きの値段設定。

サラダとパンだけでお腹が膨れてしまうが、スープとパスタで満腹になって、いざエコタリウムへ。

銀色のおっぱいを何個も並べたような建物が印象的。

ここはこども科学博物館、自然史博物館、プラネタリウム、動物園をごっちゃにしたような施設で、小中学生の教育には持って来い。

珪化木(けいかぼく、petrified wood、木が化石化したもの)のコーナーがあって吸い寄せられる。

何故吸い寄せられるかというと、展示をしばらく見てから、「僕のコレクションの方がいい」とほくそ笑みたいからだ。今日もほくそ笑んでしまった。

これも時々見かける年輪の展示。この年輪の年にはどういう歴史的イベントがあったか、などという展示。とてもいい展示だと思う。

食虫植物の展示。ウツボカズラは昨日ハーバード自然史博物館でガラス標本を見てきたので、印象深い。

学芸員によるニシキヘビ(ボアかもしれない)の紹介。勇気あるお母さんが触ろうとしたら、ヘビに病気が移ると良くないのでやめて下さい、と注意されてしまった。右は証拠写真。

これは博物学者のデスクを想定した展示。子供に憧れや夢を与えるのにいい。私でさえ羨ましい。

りっぱなプラネタリウム(5ドル)。「宇宙の衝突」というのを見たが、最初うるさかった子供たちの声が聞こえなくなったのは、多分暗くて眠くなったからだろう。妻もいつしか眠ってしまった。

眠気覚ましのコーヒー(カプチーノ、85セント)。

エコタリウムの周辺には遊歩道があって散歩ができる。右の写真は樹上の展望台(observatory)。

案内に北極クマ(シロクマ)がいると書いてあったし、他のお客が「polar bear」と口にしていたが、「まさかこんなところに」と思っていた。しかし、施設の裏手に回るとれっきとしたシロクマがいた。退屈そうで、ちょっとかわいそうな気がする。日本の動物園に比べれば10分の1の入場者もないだろうに、ここにシロクマを置いておく必要があるだろうか?

帰りに久しぶりに自動洗車をした。日本では洗車機が動くが、土地のあるアメリカでは洗車機の中を自動車が進んで行く。柔道の帯の幅を3番くらいにした重たい布がグワングワン、ゴンゴンと音を立てて表面を擦り、確かに汚れは落ちるが、繊細さのかけらもない。

2009年11月7日土曜日

ダンフォース美術館(Danforth Museum of Art)

我家のメイン・バンク=バンク・オブ・アメリカ(Bank of America)のサービス=「美術館を身近に(Museums on Us)」では毎月第一土曜・日曜に各州数箇所ずつの美術館・博物館が無料になる。

ハーバード自然史博物館を見学し、ハーバード・スクエアの生協で軽く昼食を済ませて、フラミンガム(Framingham)にあるダンフォース美術館(Danforth Museum of Arts)に出かけた。

好みの問題ということだろうが、大変がっかりした。18世紀以降のアメリカ芸術、既存・新進芸術家による現代芸術にフォーカスした美術館ということだが、何を基準に選んでいるのか、理解に苦しむ。大人10ドル(17歳以下の子供は無料)は法外だと思う(我々は払ってないけど)。芸術だから何をするのも自由だが、展示するのであれば、技巧的に他を圧倒するもの、新しい発想や視点、そして何よりも感動を与えるものでなければ反則だ。作者が何かの思い入れで作ったのであろうことは想像できるが、「それで?」という作品は困ったものだ。絵画教室も併設しているようだが、いったい何を教えるつもりなんだろう?

ハーバード自然史博物館(Harvard Museum of Natural History)

我家のメイン・バンク=バンク・オブ・アメリカ(Bank of America)のサービス=「美術館を身近に(Museums on Us)」では毎月第一土曜・日曜に各州数箇所ずつの美術館・博物館が無料になる。

今日はケンブリッジCambridge)にあるハーバード大学Harvard University)の付属施設=ハーバード自然史博物館(Harvard Museum of Natural History、by Wikipedia)に妻と二人で出かけることにした。

上の写真では、博物館のすべての窓に青空が映りこんでいる。かなり大きな建物で、写真に納まりきらない。

博物館の呼び物の一つが「植物のガラス模型:ガラスの花(Glass Models of Plants: Glass Flowers)」。大きな部屋全体がガラス模型の展示に使われている。

これらのガラス模型は、1886年から1936年にかけて、ドイツのドレスデン近くで、植物学者で優れたガラス職人でもあったレオポルド・ブラシュカ(Leopold Blaschk)とルドルフ・ブラシュカ(Rudolph Blaschka)親子によって作られたもの。

ドイツで作られたと知って、何となく納得。この執拗なまでの精巧さへのこだわりは、ドイツ人とか日本人のものですよね。

ウツボカズラの模型。あまりの精巧さに、少なくとも乾燥標本ではないかと思ってしまう。とてもガラスで作った模型とは思えない。

展示は3階だけだが、歩き回ってもかなり広い。入館料は、大人9ドル、子供6ドル。

展示は、環境に関するもの、鉱物標本、植物のガラス模型、化石標本、骨格標本、剥製標本など、幅広い。さすがハーバードと言わざるを得ない。ここに来れば、隕石から世界中の動物まで、およそ見るべきものは見れてしまう。

鉱物標本の部屋で中国人家族がざわめき立った。何かと思えば、大きな金の塊(原石)を発見したのだ。レプリカでも中国人は金に弱い。

メモリアル・ホールとハーバード・スクエア(Memorial Hall and Harvard Square)

我家のメイン・バンク=バンク・オブ・アメリカ(Bank of America)のサービス=「美術館を身近に(Museums on Us)」では毎月第一土曜・日曜に各州数箇所ずつの美術館・博物館が無料になる。

今日はケンブリッジCambridge)にあるハーバード大学Harvard University)の付属施設=ハーバード自然史博物館(Harvard Museum of Natural History、by Wikipedia)に妻と二人で出かけることにした。

レキシントンの自宅からケンブリッジまでは車で20~30分。駐車スペースがなかなか見つからず、ようやくハーバード通り(Harvard St)沿いに路上パーキングを見つけた(地図参照)。パーキング・メーターに2時間分、2ドル(25セント硬貨(クウォーター)8枚)を投入して、いざ博物館へ。

メモリアル・ホール(Memorial Hall、by Wikipedia)はその途中、ケンブリッジ通り(Cambridge St)沿いにある。

メモリアル・ホールは、ビクトリア朝ゴシック様式(High Victorian Gothic Style)の大変に美しい建物で、南北戦争American Civil War)におけるハーバード大学卒業生の犠牲者を偲んで立てられた。1865年に建築コンペが始まり、1874年に完成(タワー部分は1877年完成)。

内部は落ち着いた雰囲気で美しい。

ここは大学のツアー・コースの一部なので、今年ハーバードを受けようかと思っている高校生とその親の一団が引切り無しに訪れる。

内部にサンダース・シアター(Sanders Theatre、1875年完成)という演劇・コンサート用の立派なホールがあるが、今日は何かのリハーサル中で中に入れなかった。以前何かのコンサートを聞きに行ったことがあるが、木材を多用したすばらしいホールだ。

メモリアル・ホールは本当にきれいな建物だ。何枚か写真を載せたが、2番目の朝日をあびた写真を見ると、この建物が如何に立体的でダイナミックかが分かる。

また、今日も快晴で、快晴の空と組み合わせると、大抵のものは美しい。

ハーバード自然史博物館を見学したあと、一旦パーキング・メーターのところに戻り、1時間分=1ドルを足し、学生の街=ハーバード・スクエア(Harvard Square)に足を延ばした。

路上で古本などが売られ、神田のような雰囲気のところだろうか。

地下鉄の出口近くにハーバードの生協(Coop、何故かクープと発音する)がある。

もちろん、書物は生協の主要な商品だが、ハーバードだと本屋もなかなか格調高い。ケネディーだってここで買い物をしたわけだから、確かに格調高い。

我々は、お腹が空いたので、二階のカフェで簡単な昼食をとった。この地球上で最も知的生産性の高い場所にいながら、食べるしか能がないとは....

帰り道、レストランのテラスで「プロ」のチェス・プレーヤーを見かけた。帽子がなかなか格調高い。5ドルで一局ご指南いただき、勝つと2ドルもらえるみたいだ。値段設定がいい。

X-Menの何作目かのラストシーンを憶えていますか?

2009年11月1日日曜日

喫茶:ピーツ・コーヒー@レキシントン(Peet's Coffee at Lexington)

ウーバン(Woburn)のホーン・ポンドを散策したらお腹が空いてしまった。レキシントンまで戻ってピーツ・コーヒー(Peet's Coffee)でおやつタイム。

宿敵スターバックスからは20メートルくらいしか離れていないが、どちらの店も大抵同じくらい込み合っているように思う。

最近ダイエット中なので、お菓子類はなるべく食べないようにしている。ただし、喫茶店に来たときは特別で、妻と二人で何か一つだけ買って、半分ずつ食べる。自分に甘い部分も少しは残しておかないとね。

お菓子やパン類はこんな感じで売っていて、どこか日本の昔の駄菓子屋さんの雰囲気が残っている。ひし形の黒砂糖パンなんかが並んでいてもおかしくないような雰囲気。

コーヒーは2ドル以下だがケーキ類は2ドル以上、合計だいたい4ドル。二人で分けると2ドルだから、日本より随分安い。

店内はこんな感じ。カウンターではおじいさんが新聞を読んでいて、となりでは近所のおばさん同士が話をしている。スターバックスよりも地元に溶け込んだ感じがする。

ホーン・ポンドの丘から(View from Horn Pond Hill)

日曜の午前中、あまりに天気が良かったので隣町のウーバン(Woburn)にあるホーン・ポンド(Horn Pond)の丘からボストンと最後の紅葉を眺めることにした。

残念ながら、午後は快晴というほどのいい天気には恵まれなかった。しかし、紅葉は最後の輝きをみせ、カラフルな絨毯のよう。

見晴らしの好いその丘には一つだけベンチが置いてある。そのベンチからボストンを眺めると、右の写真のように枯れ木が視界を遮る。

日本なら、枯れ木は「不要な木」で、増して眺めを遮るような「邪魔な木」は取り除いてしまおう、と誰もが思うのではないだろうか。しかし、アメリカでは切らない。そもそも、この枯れ木も含めて風景だと思っているような気がする。

そういう意味では、日本人の自然観というのは大変人工的で、より抽象的なものなのだな、と感じさせる。龍安寺の石庭なんか、アメリカ人の想像を絶するものに違いない。

丘の麓の駐車場で見かけたボーイ・スカウトの集団が私たちを追いかけて上がってきた。丘を登るのに10分もかからないのに、早くも30分程度の休憩タイムに入り、水を飲むだけでなく、本格的におやつまで食べ始めた。しかも、親まで食べている。何と軟弱なやつらじゃ。

岩の上が一番の撮影ポイントなので、彼らが満腹して立ち去るまで気長に待つことにした。